円高とは円の価値が高いこと
円高とは、「円の価値が高いこと」もしくは「円の価値が高くなること」です。
A. 1ドル=100円
B. 1ドル=80円
AとBのどちらが円高でしょうか。
答えはBです。
一見すると、「100円」の方が「80円」よりも数字が大きいので、
Aの方が「円高」に思えますが、そうではありません。
上記の表記は「1ドル=○○円」という形で実際にはドルの価値を表しています。
これを円の価値がわかりやすいように書き換えてみましょう。
A. 1ドル=100円 → 1円=0.01ドル
B. 1ドル=80円 → 1円=0.0125ドル
このようにすると、Bのほうが数字が大きくなります。
したがって、Bのほうが円の価値が高い、すなわち「円高」なのです。
円高になると、輸入業者は得をし、輸出業者は損をする
一般的に、円高になると輸入業者は得をし、輸出業者は損をすると言われます。
非常にシンプルにそのことを考えみましょう。
輸入業者の場合
例えば、外国で「3ドル」で売られているオレンジを輸入したとします。
A. 1ドル=100円(円安)
B. 1ドル=80円(円高)
それぞれ、Aのときと、Bのときのオレンジの円での価格を考えてみましょう。
A. オレンジ 3ドル=300円
B. オレンジ 3ドル=240円
※輸送量や関税はここでは無視してシンプルに考えます。
Bのときのほうが、値段が安くなります。
同じものを仕入れて輸入したのに、Bでは値段が下がるので、
お客さんがたくさん買ってくれるようになります。
これをビジネス用語では、「コスト競争力が高い」と言います。
もしくはBの場合には、値段を下げずに300円のままで売ることもできます。
その場合は、(300円—240円)で60円分、自分の利益にすることができます。
これをビジネス用語では、「利益率が高い」と言います。
このように円高のときには、輸入業者の商品は、
コスト競争力や利益率が高くなります。
輸出業者の場合
輸出した場合は、反対のことが起こります。
1万円の腕時計をアメリカに輸出したときのことを考えてみましょう。
A. 1ドル=100円(円安)
B. 1ドル=80円(円高)
それぞれ、Aのときと、Bのときの腕時計のドルでの価格を考えてみましょう。
A. 腕時計 10000円=100ドル
B. 腕時計 10000円=125ドル
Bのときには値段が上がってしまい、
腕時計の「コスト競争力」や「利益率」が低くなってしまい、
輸出業者は損をすることになります。
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