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スイスフラン(CHF)

スイスフランの世界の中での位置づけ

スイスフランは、スイス国立銀行が発行している通貨です。スイスの他、周辺のリヒテンシュタイン、イタリア領カンピョーネ・ディターリアの公式通貨として使用されています。スイスの経済そのものは、2011年の世界GDPランキングで第19位と決して大きな水準ではありません。資源産出国でもなく、主要産業は、機械、精密機器、化学を中心とした工業および農業です。貿易相手国も、周辺のドイツ、イタリアなどのEU各国が多く、そしてアメリカ合衆国も主要な貿易相手国です。

しかしながら、スイスフランが世界で果たす役割は、スイス経済の規模とは比べ物にならないほど大きく、世界各国の中央銀行が保有する外貨準備高におけるスイスフランの割合は、0.1%で世界第5位。また、通貨取引量では、2010年の実績で、米ドル、ユーロ、日本円、英ポンド、オーストラリアドルに続いて第6位です。スイスフランは、永世中立国として有名なように、ヨーロッパの戦争期にも戦争に巻き込まれない姿勢を貫いて来たため、有事の際の退避通貨として広く認識されています。さらに、低いインフレーション率、低い失業率も、スイスの政治経済が安定しているとのイメージを形成しています。また、2001年までスイスは憲法で、スイスフランの40%の金準備によって裏付けることを規定しており、このように金に裏付けられた通貨としてスイスフランは世界で最も安定している通貨と言われてきました。金準備の規定が憲法から撤廃された今でも、スイス国立銀行はスイスフランの20%の金を保有していると言われています。スイス国家財政の信用度である国債利回り(イールドレート)も先進国内で一番低く、世界の金融機関や投資家から高く信頼されています。

スイスフランの略称はCHFです。Fはフランのことですが、CHFがスイスフランだとはなんなか想像がつきません。このCHとはConfoederatio Helveticaという「スイス連邦」を意味するラテン語の略称です。

スイスフランの世界の中での位置づけ

スイスフランの主要な変動要因

スイスフランの主な変動要因は他の主要国の世界経済の混乱度合いと金利差です。

スイスフランの一番の性格は、「有事のスイスフラン買い」と言われるように、世界の政治や経済が混乱する際に、スイスフランが買われるということです。有事以外の場合には、スイスフランは非常に安定しており変動が少ない通貨です。しかし、2011年の9.11同時多発テロ後のアメリカの安全保障問題の激化の後にスイスフランの為替が上昇し、さらに2010年以降のEU国債危機においてさらにスイスフランの価格は高騰してきています。このように、世界が不安定になるときにはスイスフランが買われます。

もう一つの変動要因は、他の主要国との金利差です。日本円に次ぐ低金利通貨と言われるスイスフランは、キャリートレード目的で売られることがしばしばあります。特に、アメリカ、カナダやヨーロッパ諸国の経済が好調の際には、スイスフランで資金を調達し、他の通貨を買って投資するキャリートレードが活発になることがあります。その場合は、スイスフランが売られるため、為替が下降していきます。

最近のスイスフランの特徴

スイスフランは、9.11同時多発テロ以降、米ドルに対してスイスフラン高となり、同時に超低金利時代に突入した日本円に対してもスイスフラン高となりました。一方で、ユーロに対しては非常に安定した相場を保っていたものの、サブプライムローン危機およびそれに続くリーマンショックを機に、対ユーロでもスイスフラン高となり、この流れはEU国債危機が表面化して以降決定的となりました。

そして、2011年8月に米国債の格付けが最高ランクから初めて陥落したことにより、スイスフランは対ドルに対してついに130スイスフランにまで上昇しました。その後、スイス国立銀行がスイスフランの高騰を防ぐため1米ドル=120スイスフランまでに制限するという緊急声明を発表し、それを実行するためにスイスフランに無制限に介入する姿勢を示したため、スイスフランの高騰はストップ。今では、1米ドル=110スイスフラン前後に落ち着いています。

CHF/JPY
最近のスイスフランの特徴1

CHF/USD
最近のスイスフランの特徴2

CHF/EUR
最近のスイスフランの特徴3

※出所:Yahoo.com

FXでのスイスフランの特徴

FX取引では、スイスフランは低金利でスワップ目的での投資には不向きであり、さらにもともとは変動幅の小さい通貨であるため、あまり人気を集めてきませんでした。しかし、世界経済が低迷する中、有事のスイスフラン買いの結果大きな注目が集まりました。スイス国立銀行の為替介入姿勢の結果、そのスイスフラン買いも勢いを止めましたが、次にいつ再度高騰を始めるのか、もしくは経済が回復しスイスフランがもとの水準まで戻って行くかが注目されます。

スイスの主要経済指標

  • 政策金利
  • KOF(チューリッヒ工大経済観測所)先行指数
  • 消費者物価指数
  • GDP国内総生産
  • 国際収支
  • 鉱工業生産指数
  • 小売売上高

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